研究の魅力は国境がないことだと思っています。日本という島国の、地方にいる一人の人間でも、世界に何かしらの影響を与えるチャンスがあるということに高揚感を感じずにはいられません。東北大学病院の初期研修医としてニューヨーク短期研修に参加し、現地の眼科医の口から、ある日本人眼科医の名前とその研究内容の話が出たことの感動が今でも忘れられません。いつか自分も、というモチベーションになっています。
日本の伝統的なclinician scientistの生活は、毎日夕方まで臨床業務で、研究は夜に行うという、家庭の犠牲なしには成り立たないものと思います。東北大学眼科では、中澤教授の先進的な取り組みにより、大学院卒業後でも、研究志望者には可能な限り研究に時間を割けるような体制が構築されております。おそらく他では厳しいであろう、家庭を犠牲にしないclinician scientistを目指すことも可能なのではないかと思います。